GNSS・GPSトラッカー TKStar TK415の4G LTE Japanバージョンを買ってみた。

タイトルの通りでGNSS Tracker TKStar TK415のFDD LTEバージョン(技適あり)を買ってみた。

※出落ちですけど、徒歩や低速メインで位置情報を確認したいとかだけならbsizeのGPSBoTとかを契約した方が早いかもしれません。スマホでGoogleの位置情報サービスを使ってもいいですし。メリットデメリットは最後のコマンドリストの前にでもまとめます。

さて、前置きから(長いです)。

これまでは車載用の位置情報発信端末にはMictrackのMT500-G(WCDMA網800MHz対応。技適あり)を使っていたのだが、MT500-Gで使用していた0SIMがサービス終了したのに伴って別のSIMを挿して設定してみたがなぜか動かず。

育児等で私事が忙しくてまとまった長い時間を取って検証することもできず、すでに購入して子供用の位置情報管理端末として使用していたMictrack MT825(Quectel BG96搭載)と同じくMictrack製のMT600NB(これもBG96搭載)を購入してみたが、MT600NBも日本のSIM(IIJmioドコモ回線、日本通信の190PadSIMのSB版/DoCoMo版両方、楽天Unlimitedで試した)ではうまく動かず・・・一言で書いてるけど・・・紆余曲折がありました(※2022/06/12追記: MT600NBはpovo2.0で動いた。MT600NB側のTプロトコルをTCPにしないとうまくつながらないけど…UDPだと今のところネットワークにうまくつながらない雰囲気)

このMT600NBは日本の技適を取得しているQuectel BG96を搭載していて、スペック上ではNTT DoCoMoやau、楽天Unlimitedが使用しているLTE Band3/18/19にも対応しているのだが・・・。

先にも書いたように同じくMictrackから子供用に買ったGNSSトラッカー MT825はソフトバンクのMVNOのSIM(190PadSIM)で動いていたので、まあ、同じBG96がのってるMT600NBも少なくともソフトバンク系の同じSIMなら動くだろうと思って買ったけど、前述のとおりでうまく動かず。

MT600NBにUSBシリアル変換ケーブルで接続してログを読んでいると、携帯電話のネットワークにはつながってはいるが、自前の位置情報管理サーバまでデータが流れてない雰囲気(ポート開放とかはしていて、他のテスト用端末では送信できててログにも位置情報の送信記録が残る)。

以下のようにMT600NBのログから抜粋すると、一応繋がってるが・・。
:Network login OK.
:OPERATOR: [SoftBank SoftBank] :ACT: [CAT-M1] OPER: [“44020”] BAND: [LTE BAND 1] CHAN: [475]0

:SUB_TCP_DATA_REQ DELY, PS PROCESSING.
:SUB_TCP_DATA_REQ DELY, PS PROCESSING.
:SUB_TCP_DATA_REQ DELY, PS PROCESSING.

データが流れてないっぽいのかな。
Mictrackのサポートにも聞いてみたけど、このエラーが何かはわからんっぽいのかこの部分だけ返事がなかった。
ネットで検索しても同じような・・・というか日本で使ってる人が少なすぎて情報がない。英語等の情報でも類似の情報がない(日本の回線が特殊なだけなのか・・・)

Mictrackのサポート曰くどうやら通信チップはMT825もMT600NBも同じQuectel BG96を使っていても、MT825とMT600NBは別物らしくMT600NBは同社のMT550のファームウェア等をベースにしているようだった。

BG96にはいくつかのバージョンのファームウェアとリビジョンがあるのだが、MT600NB(MiniPCIeボード形状で接続)のBG96のリビジョン(ネットワークにつながらない方)は「BG96MAR02A07M1G」。MT825の方は不明(毎日、実運用中なので手を付けたくない・・機会があれば見てみる)。

MT600NBにシリアル接続してMT600NB上で使えるコマンドをいろいろ試しても駄目だったので、MT600NBを分解してPCIe接続されているBG96を外してUSB接続のアダプタ経由で4GモデムとしてPCで接続してみても動くはずのソフトバンク系SIMでもデータが流れてない雰囲気だが・・・あまり時間をかけられず。

同じUSB接続のアダプターで同じQuectelのEC25-Jは回線接続ができて通信もできるので、このBG96側の問題かなとも思う(PCIe形状のEC25-JではIIJmioなどで検証済み、なぜか楽天Unlimitedだけつながらなかったような・・・この楽天Unlimitedの回線もSMSに癖が・・さらにこのPCIe形状のEC25-Jも購入して届いた時点ではネットワークロックがかかっていて・・・と言う話は後日書くかも)。まあいろいろトラブルが重なって、ちょっとQuectelのはもう使うのを止めようかと思ったりした。

ちなみにこのEC25-Jも技適取得済みでAliexpressから買ったのだが、Aliexpressのお店の商品紹介ではドコモやau、ソフトバンクなど使用予定のキャリアを指定して購入してくれと言う記述があったので、EC25-Jも何か癖があるのかもしれない。
(※通信モジュールが携帯電話網と接続する時に、どういうやりとりをしてるかログ等が見れるといいんだが、やり方はあるのかもしれないがわからず)

(※EC25-JはCat.M1やNB1ではなく、Cat.4を使えるので通常のスマホなどが繋がるFDD-LTEのデータ通信回線があればつながる…はずなのだが….何せQuectel)

さて、MT600NB(BG96搭載)に話を戻すと、空き時間を使って個人的にいろいろやってみた感じでは、恐らくは携帯電話回線のネットワークにログインする時のPAP/CHAP等の設定ができないことによる不具合な感じもするが・・・原因はわからず、検証するにも時間と気力と体力が足りず。

(※ちなみに、Mictrack MT500-Gの時はAPN名などのアットマーク@が入っているとうまく認識しないという不具合があり、Mictrackのファームウェアの問題と思われたが、これは3~4年前のアップデートですでに改善されているそう。MT825で繋がらない時にもMictrackに質問を投げたのだが、その時に聞いた。注釈多くてすんません。推敲してる時間がないのでガガガガーっとメモってるため)

どうもMT825やMT600NBで使われているQuectel BG96は日本のSIMと回線で繋がらないことが多くて癖がある・・・というか、完全につながらないならまだしも半端につながる環境もあるから困る。BG96側の問題なのかキャリアのネットワーク側の問題なのかその両方なのか、その他の原因なのか。とにかく個人で調べられる範囲では限界に近かった。他にも使っている人自体は少数だけどつながらなくて困ってる感じの情報もあったし。自分だけではなさそうと勝手に少し納得してみる。

BG96自体はLTE Cat.M1などと言われるLTEの規格の中で低速だが低消費電力でつなげるLTEカテゴリー1かLTE-NB1という規格のみで接続できるチップであるが、ドコモもauもリリースしてる情報ではBG96もつながるはずなんだが・・・・。

ちなみに同じBG96でもSORACOMが販売しているBG96搭載ボード等は、前述のMT600NBに載っているもの(BG96MAR02A07M1G)よりリビジョンが新しい感じである(R03になってる[1])が、やはりIIJmioではつながらないという情報がある[2]ので、DoCoMo網側で何か制限があるのかもしれない。この辺を分析したり検証する時間も知識もないので、後回しになってる。

[*1]ATコマンドの”ATI”で表示されるファームウェアバージョンのうち、例えばBG96MAR02A07M1Gの”R02″がリビジョン、BG96MAがチップの型番?、A07M1Gあたりがファームウェアのバージョンっぽい。Quectelの公式サイトにあるフォーラムを見るとリビジョンが違う場合、ファームウェアにも互換性がないらしい

[*2]Wio LTE M1/NB1(BG96) で、各社のSIMを使ってみる
https://qiita.com/nara256/items/04acd9ecf970c923986f
(※BG96が日本通信 b-mobileのソフトバンク系SIMで動くと知ったのもこちらのおかげです。希少な情報ありがとうございます。)

とここまでが、前置きである(長い)。


さて、いい加減、管を巻いたところでタイトルの端末の話を書く。

BG96その他、諸事情で現状は動かないものを動かすまで検証をする時間が取れないので、動きそうなものを買ってみることにした。

車載するGNSSトラッカーがないままだと管理上、個人的にもちょっと不便なので。

というわけでまたAliexpressでいろいろと探してみた結果見つけたのが、タイトルにあるGNSSトラッカー「TKSTAR TK-415 Japan Version」である。

GNSSトラッカー TKSTAR TK-415 Japan Version(注文時に必ずコメントで指定する必要がある)
https://s.click.aliexpress.com/e/_Aon1kf

このTKSTARと名前がついているGNSSトラッカー(GPSトラッカー)のシリーズは少なくとも10年くらい前から中国のネット通販などで売っていた気がする。

有名なシリーズなので対応している巷の位置情報管理サーバもこのTKSTARが使用しているプロトコルに対応していることが多い。TK-415の場合はwatchというプロトコルで、当方が使用しているTraccarもwatchプロトコルにも対応している。

以前から中国産の格安GPSトラッカーとしてTKSTAR TK103などGSMのみ対応のGPSトラッカーが安価で有名であるが、価格は安くとも独自路線を突っ走った日本の2Gはもちろん、世界共通規格だが日本は独自バンドを使うことも多いために3G/4G網には対応してないのでこれまでは使えなかった。
ただ中国ではよくあるように、有名=売れるということはコピー(クローン、インスパイア)されるのである。

TKSTARのブランドがついているGNSS(GPS)トラッカーの製品も例外でなく、現状は類似やコピー商品がたくさん出回っていてどこが本家なのかよくわからない状態。
今回買っても次に同じものが来る保証もない。

中国の山寨製品(ノーブランド製品、野良製品)にはよくある話であるから仕方ないのだが・・・。
今回当方が手に入れたTKStar TK-415の4Gバージョン(FDD LTEバージョン)も様々な情報や雰囲気から本家(?)ではなさそうだが、とりあえずJAPANバージョンがあるというので買ってみた。

商品が届いてみて、日本の回線に対応している製品でなければ面倒だが返品する気持ちで購入。

届いた製品はこれ。TKSTARのシールは貼ってあるが、付属のマニュアルと登録された位置情報管理サービスを見る限りでは以下の企業の「TKSTAR TK-415 4Gバージョン」であるようだ(ややこしい)。

WINNES GPS TKSTAR
http://winnesgps.com/

「TKSTAR TECHNOLOGY CO.,LIMITED
TKSTAR TECHNOLOGY CO.,LIMITED a leading designer and manufacturer of professional GPS Tracker/GPS Navigation and GPS wireless communications products, dedicates to bringing reliable products and customized solutions to clients across the world.Our company’s main brands:TKSTAR,WINNES,AIKA…」とあるが、ダウンロードできるファイルの一部を解凍してみると「商品が購入された時のお知らせ音声」的なMP3ファイルが入ってるだけだったり、山寨感が半端ない。MicroUSBポート経由のシリアル接続も試してないが機能してない?雰囲気。

本家っぽい方のTKSTAのサイトはこちら

https://www.tk-star.com/

どちらもウェブサイトはそっくりな作りで中国広東省深センにある企業のようだが、住所が違う。ツール類やマニュアルも後者の本家っぽい方はちゃんとダウンロードできるが、本家と分家かクローンの方では使えるSMSのコマンドがほぼ同じなのに、一部だけ違うというややこしさ(具体的には位置情報送信先を初期設定から任意のサーバにするコマンドとかが違う)。しかし残念ながら本家っぽい方の4G対応GNSS(GPS)トラッカーはFDD LTEの対応バンドがB20のみで日本のauが使うB18やドコモが使うB19には対応していない。B20はB19を内包するという情報もあるがつながらないっぽい情報も多く、恐らくは技適対応チップが載っていることも無いと思うのでやめておいた方がいいかも。もちろん中国の会社なので、大量に買うと言えば日本バージョンも生産してくれるとは思うけど(この会社の規模にもよるがそれなりに大きいところだと1万~10万台単位なら・・・小さいところなら100台とかでもいけるかも。中国企業は基本的には金さえ払えばこの辺の融通はものすごく効くのでチャレンジャーな方はどうぞ・・・多少の無茶・・・TKSTARのロゴ入り餃子、シューマイの生産委託とかも可能かも・・・なくらいに)。

それでも商品を購入したAliexpressのサイトによると、当方が購入した分家版?のTKSTAR TK-415の日本バージョンは以下のバンドに対応しているようだ。


Japan Version band :
LTE-FDD: B1/B3/B8/B18/B19/B26
LTE-TDD: B41
WCDMA:B1/B6/B8/B19

この情報が本当ならドコモもauもソフトバンクも楽天Unlimitedでも動くはず、ということで今回購入してみた次第。買ったときはセール中だったので送料込みで79USドルくらいだった気がする

TKSTARの名前がついている商品を買っても必ずしも位置情報管理閲覧サービスが無料でついてくるわけではないようだが、今回買ったWINNES版のものは商品を買うと位置情報サービスもついてきて、無期限で無料で使えるようだ(数年後にもその会社等が存在していれば・・だが)。

少なくとも今回当方が買ったものはそのようになっている。

なので、TK-415 Japan Versionを購入後に自分でSIMカード(SMS付き)を用意して設定さえできれば、すぐに位置情報サービスを使えることになる(実際、使えた。繋げる前に中は開けて確認したけど)。


APN等の初期設定の問題で必ずSMS契約付きSIMの契約が必要だが、設定が終わればSMS無しのデータ通信SIMでも運用は可能と思われる(時間がなくて未検証、今は楽天UnlimitedのSIMを挿して実地で電池の持ちの検証や動作安定性などのテストをしてみてる)のでTK-415で認識できるSIMと回線の契約ならば、自分や家族がスマホで使っているSIMを借りてでも設定は可能であるはず(今のところ・・2021年4月中旬現在では楽天Unlimited除く。後述)。

ただし、このオンライントラッキングシステムというか位置情報管理閲覧システムも日本語版はなく英語表示になる。でも表示される地図はグーグルマップだし、簡単な英語なのでリアルタイムで位置情報を確認するだけならこれで十分使えると思う。

この「TKSTAR TK-415 4Gバージョン」の場合、位置情報管理サーバのURLは以下となる。
https://www.mytkstar.net/

ちなみにこのメーカが提供している位置情報管理サーバのシステムも恐らくはクローンかあちこちにライセンスされており、AliexpressでGPS(GNSS)トラッカーを売っているサイトで標準で紹介されているのはたいていはこの共通の見た目のサイトである。いずれも日本語には対応しておらず。英語等のみ。

もしかしたらGNSS/GPSトラッカーでも昔、いわゆる海外での非スマホのガラケー型携帯電話全盛期の時代の時の携帯電話でMediaTekがやっていたようなハードウェアとソフトウェアを卸すMTKシステムみたいなのがあるのかも。メーカは仕入れたらあとはそれを自分たちで組み立てて化粧箱に入れて売ればOKみたいなやつ。そういうのがあったので、似たようなものがあるのかも(MTKシステムってなんぞ?という方は当サイトの検索窓でMTKと検索すれば過去メモが出てきます)。

このサイト上からTK-415の設定を変えたりもできます。例えばデータの送信間隔は最短30秒に設定可能です。ただ、TK-415の機能としては最短10秒単位で設定できますので、SMSで直にコマンドを送って設定すれば10秒間隔で表示させることも可能です。バイクや自動車に搭載する場合は10秒単位くらいでないと高速道路の場合、100km/hで走行すると30秒で840メートル、高速道路の一部区間の最高120km/hで走行可能区間なら990メートル進みますので間にトンネルや山など遮蔽物が入ってGNSS(GPS)の電波の受信状況や携帯電話の電波状況が位置情報の確定と送信タイミングで悪化したりするとデータが飛び飛びになるかも。

TK-415と位置情報システム閲覧サーバの使い方はとても簡単。
1.購入して届いたTK-415を充電するかUSBケーブルで電源を供給しつつ、TK-415が対応したバンドのLTE網が使えるSIMカード(カードスロットはマイクロSIMだが、ナノSIMに変換アダプタと言う名のプラ板を付けて挿せば使えた、自作してもいいし、アマゾンで200円くらいで売ってる)を挿す。SIMを挿すとTK-415の電源が入る、抜くと切れる。

2.TK-415の電源が入った状態で、TK-415に挿したSIMの電話番号あてにマニュアルに従ってSMSでAPN、USER、PASSWORDを送信して設定。初期設定ではmytkstar.netのサイトが位置情報送信先になっている。

使うコマンドは以下の3つ程度。

apn123456 apn情報(楽天Unlimitedならrakuten.jp、apn情報の前には半角スペースが入ってる)

apnuser123456 apnのuser情報(楽天Unlimitedなら空欄代わりに半角カンマ。これ→,)

apnpasswd123456 apnのpassword情報(楽天Unlimitedなら空欄代わりに半角カンマ。これです、矢印の先の→,)

3.https://www.mytkstar.net/を開いて、TK415の裏にシールで貼ってある10桁のIDと、初期設定のパスワード(123456)を入力してmytkstar.netにログインすれば、TK415の位置情報が表示されます。海外からだと初期設定はちゃんとグーグルマップになっているようです。ログイン画面で言語は選べますが、日本語はありません。

TK-415にSMS対応SIMを挿してあれば、SMSでも位置情報は取得できます。
初期パスワードのままなら、SMS(ショートメッセージサービス、Androidだと「メッセージ」などアプリ名で最初から入ってる。楽天UnlimitedならRakuten Linkで送れる)で

G123456#

をTK-415に挿してるSIMの電話番号に送るとグーグルのリンク付きでSMSを送った時点の位置情報が返ってきます。なんだよ海外の、特に中国あたりの変なサーバに位置情報を送りたくないよ!!という場合はSMSでnogprs123456を送ればデータ通信はオフにできるはず。ちなみに、APNなどを設定しない状態でもSMSは送受信できるので、APNを設定しないで使えば自動的にデータ通信はされずに何もデータは送られない仕様になると思います(毎回SMS送受信費用はかかりますけど、キャリアによりますが片道1回3円、レスポンスもあるので1回往復6円とかになるはず。詳しいSMSの送信料金は各自が契約している電話会社に聞いてください)。

設定はこれだけ。とても簡単。
海外製のとかで日本の技適と携帯電話網に対応していて、これだけ手順が少ないのは初めてかも。

さて、ここで上の方で「楽天Unlimited除く」と書いた部分について説明します。
楽天Unlimitedの回線だとこのTK-415に限らずIoT系の機器でSMSをうまく受信できません。理由はわからず。MT600NBとかでもダメでした。

スマホに挿すとSMSも普通に送受信できます(Anrdoidスマホの場合)。
それまでに送ったSMSが後から送られてきたり送られて来なかったり。TK-415でも楽天UnlimitedのSIMを入れた状態でTK-415にSMSコマンドを送っても返事が来ません。
ネットワークの仮想化やら新しいことをしている影響があるのかもしれませんが、情報が少ないので詳細は不明。


なので、楽天UnlimitedのSIMをTK-415で使う場合は、別の楽天Unlimited以外のSMS契約付きSIMを挿してTK-415でSMSを受信できるようにし、楽天UnlimitedのAPN(rakuten.jp)その他、必要な設定をしてから楽天のSIMに差し替える必要があります。SMSでの命令コマンドは使えませんが、データ通信はできるようになるので位置情報サーバでリアルタイムの位置を確認する分には支障はありません。

TK-415の初期設定用にSMS契約付SIMカードを他人から一時的に借りても設定可能ですが、TK-415からの命令への返答SMSでSMS送信料金はかかりますので、もめないように予めお話してからやりましょう。
インターネット経由(TKSTARのマニュアル等ではgprs経由で)でも設定はできるっぽいですが、当方はまだ未検証です(mytkstar.netからもリモートで設定できてるので)。

というわけで、IIJmioのドコモ回線(プランD)では問題なく動き、楽天UnlimitedのSIMもAPN、APN USER、APN PASSWORDの設定が終わってしまえばサーバへの位置情報の送信もできています(mytkstar.netと自前で構築しているTraccarサーバの両方で動作確認済)。
当方の場合は、自前でTraccarというサーバソフトを使って位置情報管理サーバを構築しているので、mytkstarのサイトはバックアップとして使うくらいの感じです。SIMも楽天UnlimitedのSIMではオーバースペックなので、どこかのMVNOのSIMを使うかも(携帯電話のエリアの広さの問題もあるし)。あくまでも検証用としてたまたま使えたので使用してみてる感じです。

自前のサーバや他社のwatchプロトコルに対応しているサーバに位置情報を送信して運用する場合は、

adminip123456 サーバIPアドレス ポート番号

各指定の間には半角スペース。「サーバIPアドレス」の部分はDNSで名前解決も使えるのでドメイン名でも可能。

もし変更後に初期のmytkstar.netに変更したい場合はサーバIPアドレスの部分をmytkstar.netにし、ポート番号は7700にすればOK。

adminip123456 mytkstar.net 7700

これをSMSで送信すればよいです(楽天Unlimited回線を除く。TK-415にSMSのコマンドを送信する側ならもちろん楽天UnlimitedのRakuten Linkからでも可能)

123456は初期パスワードなので変更している場合は変更後のものにする。

以上で使えるようになるまで完了。実地で試したコマンド類はこのメモの一番最後に貼っておきます。

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以下、使用感と感想。まだ数日程度。随時追記。

TKSTAR TK-415はこれまで使っていたMictrack MT500/600系と違って外部アンテナを標準で外付けできないので、感度は劣る感じがする。GPSの受信感度もMictrack MTxxx系より弱い気がする。

あと、楽天Unlimited回線でテストしているのでエリアが狭いからか圏外なって位置情報が飛びがち。スリープモードが有効だと起動するまでGNSS(GPS)チップもオフで、起動直後は位置情報も携帯電話基地局の位置と思われる情報を取得しているようなので表示場所がずれて精度が下がる。GPSは車やバイクなど常時、電源が確保できる機材に接続している場合はスリープをオフにして連続稼働にした方がGPSも起きた状態で動作するので、より正確な位置情報を取得しやすいと思う、GNSS/GPSのチップはスリープ状態から起動してから衛星からの電波を受信して位置情報を取得するまで一定時間かかるので。販売ページの情報が正確ならば、ホットスタートが1秒、ウォームスタートが35秒、コールドスタートが45秒となっているので、スリープモードから復帰して衛星の電波を掴んで位置情報を取得するまで35秒以上はかかるかもしれないということだし。こういう設定を動的にやるにはやはり楽天Unlimited以外のSMS契約付きSIMで運用した方が柔軟に運用できると思う。

磁石はやっぱ個人的には邪魔かも。強力なので置き場所に気を遣う。蓋にシールでついてるだけの気もするのでちょっと外せるか検討(→ハマってるというか両面テープで貼ってるだけっぽい気はするがうまく取れないので、80度以上に熱して磁力を減らすことにした。たぶんネオジウム磁石なのでヒートガンかはんだごてを周りの樹脂が解けない程度に80度以上に温めれば・・・たぶん)。

電池は総容量がそれなりにあるので結構持つが電池の分、分厚いし重い。Mictrack MTxxx系も初期状態では電池内蔵なのだけど容量が700mAhかそこらなので30分もすると電池が切れるが、TK-415は7800mAhあるので、詐称が多い中国の充電池だけど18650電池で1本2000mAh以下というのはなさそうなので数時間以上は持ちそう。連続動作で試験できればいいんだけど・・・・。

Traccarで利用する場合は、初期設定では5093ポートが使えました(watchプロトコル用に準備されたポート)、端末識別はMictrackの端末と違って本体に貼ってあるIDの10桁の数字で行けました。

Traccarに接続する設定の過程で、相当に頭が疲労してるのか老化なのか、ポートを開け忘れるという初歩の初歩というミスをしてました。もうこんなことに気づけない自分にショック。やっぱ睡眠と休息は大事。。。全然データが流れてこないし、動作確認に使ったmytkstar.netにはあっさりつながるのに、自分のサーバにつながらなくて焦った。

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ここからは、TK-415のハードウェアの中身を(半端に)開ける話なので、興味がない人はブラウザを閉じてOKです。と言っても、チップを確認したかっただけなのでそれ以上はばらしてません。比較的燃えやすい18650電池を外しても動くかとかはまた時間ができたら検証するかも(2021/06/14追記→電池がついているリード線に3.7~4.2Vとか電圧をかけるととりあえず問題なく動いてるので、18650電池ははずしてケースにドリルで穴をあけて、シガーソケットの12Vから電圧を4.2Vに落としたものを印加することにした。MicroUSBから電圧をかけると当然ながら外してしまってあるはずがない電池を充電しようとしてプラス側に4.2Vとかの電圧がかかるので、ダイオードは入れた方がいいと思う)。

というわけで、以下、TK-415の購入直後の動作確認前まで時間を戻して、購入して実際に動作させる前に中を開けて確認してみた話を書く。

TK-415は日本対応とうたっているとは言え、本当に技適を取ってるチップが使われているのか確認しておく必要があるため蓋をあけてみて確認した。

開けるのはネジを6本外すだけ。
開けてみると写真の通りで使われていたのはQuectel EC25-Jでちゃんと技適取得済みのチップだった。
対応バンドと価格からEC25-Jが入ってそうだなと予想はしていたが、予想通り。

ちょっと手ハンダっぽいのは山寨らしい雰囲気、というか発注を受けてからチップを貼ってるのか?

電池についてはは電池パックの表示上は商品の広告に書かれていたとおりで7800mAh(3.7V換算)、形状から見ると18650リチウムイオン電池を3本使用している模様なので、1本あたり2600mAh(3.7V換算)の模様。

TK-415の電源を入れない状態だと電池からプラスマイナスの配線には3.95Vがかかっていたので、おそらく並列につないであるっぽい?並列だと直列の時のような18650のセルごとの電圧が変わって一部の電池に過充電しちゃったり何やらで破裂や炎上する確率が下がるのかな?たぶん。この辺、山寨メーカなりに長年やってきて情報の蓄積とかノウハウがあるのかも。

蓋側にはネオジム磁石っぽい磁石が6個ついていて結構強力につきます。反対側のケースにはついていない模様。

ネオジム磁石は強力すぎてなんでもぺたぺたくっ付けてしまうのと磁気カードにくっつくと厄介なので後で外すつもりだが、鉄板などにくっ付けるとそれなりの強力にくっつくのでバイクや車のタンクや車体本体などの平らな場所に貼り付けておけるかもしれない。

一応、簡易防水のシールのゴムも入っているが、露出してるマイク?の穴とセンサー部分はシールのみで穴も開いてるので防水性はあまりないと思っていいでしょう。販売サイト公称のIP65はちょっと厳しい感じがする・・・。

センサーっぽいのが付いているが、詳しくないが光センサーだと思う(フォトレジスタ?)。これはTK-415の本体を貼り付けている部分から剥がしたりで外部の光を検知すると登録した電話番号やサーバにメッセージを送るようにできるっぽい。未検証。初期状態ではケースに光が入り込まないように穴の上に黒いシールが貼ってある。実際に使う時は剥がすのだと思われる。たぶん。マニュアルにはinduction sensorと書いてある。

以下、蓋を開けた時の写真。

Aliexpressから届いた状態
車載する予定なのでUSBポートに電源を供給するCar Chargerがセットのものを買った。
カーチャージャーの先は車やバイクのバッテリ等に接続する形状になっているので、
自分でエーモンとかシガーソケットなりを手に入れて変更する予定。
TKSTAR TK-415の正面。マニュアルその他の情報からWINNES GPS Trackerというのが正式な名前なんだろうか。
TK-415の裏側。標準の位置情報管理サーバにはこの裏にあるIDと初期パスワードでつなぐ。型番は TK915-4GJ となっている。
ポート部分。ゴムの蓋がついてる。MicroUSBポートと3つのLED、SIMカードスロット
マイクロSIMなので注意。最近主流のナノSIMでも昔の標準SIMでもない。当方はナノSIMを手持ちのアダプターにはめ込んで挿してる。)
EC25-Jが使われていてチップ上には技適マークもある。
手前の電池は18650リチウムイオン電池。3.7V、7800mAhとある。
ケーブルのプラス、マイナスをテスターで測ると3.95Vだった。たぶん並列接続されてる模様。
EC25-Jが使われていてチップ上には技適マークもある。EC25-Jの横にピロンと出てるのは光センサーと思われる。
手前の電池は18650リチウムイオン電池。3.7V、7800mAhとある。
ケーブルのプラス、マイナスをテスターで測ると3.95Vだった。たぶん並列接続されてる模様。
EC25-Jは端子をよく見ると手ハンダっぽい。
ちなみに当方はハンダ技術が未熟なため、この細かさの端子は無理である。


さて、ここまで長々とTK-415などについて書いてきましたが、

今回メモってるようなGNSS(GPS)トラッカーを使うメリットは

・データ送信の間隔を自分で細かく設定できる。

車など高速で移動する機器に搭載する場合は必須かと思います。当方は車載の場合、車は移動が速いので可能な限り位置情報を取るために10秒間隔で位置情報を送信しています(機器やプロトコル等にもよりけりでしょうけど、位置情報で1回あたり300~400byteとか、400byteとして10秒間隔で24時間31日として送り続けても107MB強。上限料金固定のMVNO等のSIM契約を使えば、もし機器に不具合があって大量にテキストデータを送り続けても料金上限は決まっていますし・・)。

・自前のサーバで運用できる。

7割実益3割趣味ですが(逆か?)。個人の場合は自宅サーバやVPSなどで運用できるので位置情報も全て自分で管理できます。誰かが提供するサービスを使う場合、位置情報は当然そのサーバを提供する企業等の管理者にも伝わりますし、データの廃棄や使用中止など運用は自分次第です。

・異なるメーカや機種のGNSS(GPS)トラッカーを混在できる。

位置情報管理サーバ側が対応している機器やプロトコルが使えるので利用する機器も自分の用途に合わせて選べます。通常、GNSS(GPS)端末のメーカごとにそのメーカの機器専用のサーバを使っていることが多いので、メーカが違うとデータを保存するサーバも機器ごとに代わってしまうため、統合的に情報を管理したい場合は不便です。機器に不具合が出て入れ替えが発生した場合、GNSS(GPS)トラッカーのメーカを変えるとサーバも変わります。当方は自前サーバなのでメーカや位置情報送信プロトコルが違う複数の端末を同じサーバに接続しています。

デメリットとしては、

・運用が面倒くさいし、お金もかかる。(ぶっちゃけ)

電気代なりサーバ代なりコストがかかる。運用や設定なども自分で試行錯誤する必要があります。これが一番のデメリットかも。サーバに不具合が出たりすれば自分で解決する必要があります。徒歩などで利用する場合は冒頭で紹介した企業のサービスやスマホの位置情報サービスを使った方が手間はありません。Linux等や通信、セキュリティ面の知識も必要になります。当方の場合は所有している機材などの問題で、(車本体の盗難の心配よりも)万一の車両ごとの機材盗難に備えて車両の細かい位置情報を自分で管理するメリットがあると感じているので、車載GNSS(GPS)トラッカーを導入・運用してますが、あまりない事例かも。子供の追跡に関しては学校に上がった後あたりにスマホを持たせるなどでカバーできるのですが、歩けるようになってから目を離さないようにしっかり見てますけど、ちょろちょろ動き始めたので万一の連れ去りや迷子でも居場所がすぐに把握できる確率が格段に高くなる保険の意味と、位置情報の把握の問題点やらの検証とかの意味もあって使っています。子供向けは本人の意向や成長してしっかりしてくれば将来的にはもっと簡易な方法を取ったり取りやめるかもしれませんが、それまでの知識やノウハウの把握も含めて運用しています(位置情報通知が苦手な場所や条件、限界=誤差等諸問題の事前把握など)。


WINNES版 TKSTAR GNSS/GPS Trackerで使用可能なSMSコマンドリスト(マニュアルに載っている以外も検証中、随時追記するかも)

機能SMSコマンド補足(各コマンドは基本的には半角スペースで区切る)
APNを設定apn123456 APNNAME例:楽天UnlimitedならAPNNAMEの部分にrakuten.jp。
123456は初期パスワード。TK-915への命令用パスワードはコマンドに続けてスペースは入れないで繋げて入力。apn123456とAPNNAMEの間は半角スペース。以下、他のコマンドも基本は同じ。
APN USERを設定apnuser123456 APNUSER例:楽天UnlimitedならAPNUSERの部分に,(半角カンマ)
APN PASSWORDを設定apnpasswd123456 APNPASS例:楽天UnlimitedならAPNPASSの部分に,(半角カンマ)
設定値のチェックcheck123456機器の番号や位置情報送信先サーバ、APN設定その他が返信される表示される。機器の情報についてTK905と返してくるので、クローンにしてもファームウェア等はTK905ベースなのかも。
SMSで位置情報を取得。G123456#SMS受信時点の位置情報を返答。
タイムゾーンの設定timezone123456 TZONE日本ならGMT+9なのでTZONEは+9(半角)
管理者電話番号の設定admin123456 PHONENUM設定すると管理者の電話番号からのSMS命令しか受け付けなくなる。PHONENUMに管理者の電話番号を入力。
初期化begin123456マニュアルによるとAPN設定以外は初期化される模様。
管理者番号の無効化noadmin123456
速度超過警告speed123456 SPD70km/hを越えたら警告SMSを管理者の電話番号に送る場合、SPDを070に置き換える。
速度超過警告の無効化nospeed123456
振動検知警告ONshock123456端末に振動が加わった場合、管理者の電話番号にSMSで通知。
振動検知警告OFFnoshock123456
IMEI等の情報を取得imei123456IMEI、ICCID、接続中の携帯電話ネットワーク、管理者用電話番号、SOS用電話番号を返答。
データ通信の無効化nogprs123456SMSだけで位置情報を取得する場合。
データ通信の有効化gprs123456初期設定はデータ通信が有効化されてるので、特に設定は不要。
位置情報送信サーバの設定adminip123456 SERVERIPorURL PORTSERVERIPorURLにサーバのIPアドレスまたはURL、PORTにはポート番号。初期設定は mytkstar 7700。

以下、たぶん動作してる?コマンド(TK-415からOKは返ってくる)。

TCP/IPのデータ送信モードを
TCP with Keep Aliveに設定
gprs123456 0 0
TCP/IPのデータ送信モードを
TCP without Keep Aliveに設定
gprs123456 1 0
TCP/IPのデータ送信モードを
UDP with Keep Aliveに設定
gprs123456 0 1
TCP/IPのデータ送信モードを
UDP without Keep Aliveに設定
gprs123456 1 1

以下、未 検 証 コマンド。おいおい調べます(ぉぃぉぃ、OIOI)。

命令用パスワード変更Password123456 NEWPASS未検証。NEWPASSには変更する新しいパスワードを入れる。文字種別や長さ制限が不明なので半角数字6桁のみが無難かも。これを設定するより、管理者電話番号の設定の方が確実。
Sleepモード1sleep123456 shock振動を検知して起動し、5分間動作してスリープモードに入る。
Sleepモード2sleep123456 timeSMSかTK-915に挿入されたSIMの電話番号あてに電話をかけると起動し、5分間動作してスリープモードに入る。内蔵電池の消費量を最も減らせるモード。
オンラインでリアルタイム追跡するには向かない。
SleepモードOFFsleep123456 off電池残量がある限り、電源が供給され続ける限り連続で動作し続ける。電池消費量は大きい。2021/06/14追記:OKは返ってくるけど、たぶん機能してない。


2021/05/11追記:

18650電池と基板も外してみました。基板から延びる黒いケーブルは4G/GNSSのアンテナと思われます。

右上のネジ穴っぽいところはANT-DIVとあるのでダイバーシティアンテナを付けられるんでしょうか、後で試してみます。GT25B-4GとあるのはGPS/GNSSのモジュール?

基板のネジは2か所で止まってます。赤丸のところ。電池はテープで止まってるのでケース側から適切に温めるなどして適切に外しました(適当ともいえる)。

電池を外しとマイクロUSBから電源を供給しても電源は付きますけど動きませんでした。回路を読んでるわけではないので、電池が繋がってたところを適当に直結したり、1Ω~1kΩとか抵抗を入れてみましたが動かない。

なので、試しに3.7Vを供給してみたら動くようなのでここに12Vから変換して3.7Vをかけるように改造して車載してみようかと思います(パーツ注文中)。電池を取っても数日程度では特に設定したAPNとかも消えてませんでした。長期運用で問題になるかどうかはまだなんとも・・・・。